東洋医学で知る|むくみの3つの原因と予防法!水をさばく力ありますか?

むくみの原因と予防

高温多湿の日本で生活している私たちは「むくみ」がち。

水分を摂りすぎると “むくむ” のは分かっていても、真夏は熱中症が気になり冷たい飲料を過剰摂取しがちです。

さまざまな情報が飛び交い「自分にとってのベスト」がわからない

そんな悩みを解消してくれる、マザーネイチャー鍼灸院の二宮院長に「むくみ」の原因と予防法ついて伺いました。

むくみが起きる「3つの原因」

むくみは一般的なものから重篤な病によるものまで様々ですが、ここでは一般的なむくみについて考えていきたいと思います。

一般的な「むくみ」を、ひと言でいうと

その人の「さばく力」(巡らせる力や排出する力) が、体内の水分量に追い付かず、余った水が、皮下組織に溜まっている状態

と言えるでしょう。

むくみは、「水をさばけていないよ!」という身体からのサインなのです。

1. 血管内の水分量が過剰

水分が多い

何故むくむのか?まず、血管内の水分量が多くなり過ぎると起こります。

特に梅雨の時期は湿度が高く、皮膚から体内の余分な水を排出しにくくなりますので、更にむくみやすくなります。

「水分は多く摂った方が良いですか?」と、よく質問されますが、体内の水が増えるということは、増えた分だけ心臓は循環させるためにポンプを働かせることになります。

また、腎臓で濾過する量も増えることになりますので、結果として内臓に負担をかけることになります。その様な状態が続けば、心不全や腎不全の原因にもなりかねないので、注意が必要です。

日本は水の国といわれる様に湿度の高い国です。

肌質でもわかる様に「保水性の高い民族」なので、乾燥による脱水よりも「むくみによる血行不良からの脱水」に注意した方が良いといえます。

2. 静脈血がどこかで詰まる

また、静脈血がどこかで詰ってしまい「血管からしみ出す水分量」が増えることでも起こります。その代表が下肢静脈瘤です。他にも腫瘍や筋腫、血栓等でも静脈鬱血によるむくみが生じます。

最近ではステイホームで歩く機会が減り、座り時間が増えたことで下肢の静脈鬱血が起こりやすくなっています。

また、脂っこいものの食べ過ぎでリンパの流れが悪くなったり、手術でリンパ節を切除した場合もむくみが出ることがあります。

3. たんぱく質などの栄養不足

栄養不足により「透圧の関係」で、血管内から水分が漏れ出てしまうことで起こるむくみもあります。

特に夏場は食欲不振で、冷やし中華や素麺等のあっさりしたものが多くなり、たんぱく質等の栄養素が不足しがちになります。

また、冷たいものばかりを摂ると胃腸の血行が悪くなり、更にむくみの原因となります。

むくみが起きる原因

つまり、むくみの原因の多くは「水分の摂りすぎ、もしくは血行不良」ということです。

どうすればいい?

「むくんでしまったらどうすれば良いですか?」「むくみに効くツボはありますか?」

と聞かれることがよくありますが、とにかく大切なことは、血を巡らせて末端から中心に血を戻すことです。

そこでオススメなのが、巷で聞く「ゴキブリ体操」です。名前は強烈ですが、このゴキブリ体操は、1927年に西勝造が発表した西式健康法で有名な運動法です。「毛管運動」とも言われています。

<ゴキブリ体操>
1分間細かくブラブラ振るだけ

ゴキブリ体操

やり方は簡単で、仰向けに寝て両手足を上に上げて1分間細かくブラブラ振るだけです。両足を上げる事が難しい人は、壁に立て掛けるだけでも効果があります。

他にも、立った状態での「ももあげ」も効果的です。

下大動脈の流れを良くし、鼠径部の詰まりも改善されます。やり方は、左右交互に上がるところまでももを上げるだけです。

20回ずつを適宜行うと良いでしょう。

東洋医学は予防医学です。むくみの症状が出る前に「予防する」ことが大切です。

むくみを予防するには?

では、むくみを予防するにはどうしたら良いのでしょうか?

1. 水分を摂りすぎない

水分を摂りすぎない

「癖飲み」「暇飲み」「がぶ飲み」をしない!

ペットボトル等を持ち歩いたり、机の上に置いておくと、喉が渇いている訳でもないのに、ついつい飲んでしまいます。それが習慣になってしまうと、結局必要以上に水分を摂取することになります。

水は体内に入ると、そこから熱を奪う物質になります。

ガブガブ飲まずに、しっかりと身体の声を聞いて、本当に喉が渇いている時に飲む様にして下さい。

2. ふくらはぎを鍛える

むくみ対処ふくらはぎを鍛える

運動不足や座りっぱなし、立ちっぱなし等、同じ姿勢が続くと、重力によって静脈血やリンパ液、老廃物等が下半身に溜まってしまいます。

しかし、私達にはそれを心臓に戻す働きがあります。

ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれ、心臓の様にポンプの力で下半身の血液を心臓に戻す役割があります。

下半身には全身の血液のうち、約70%が集まるとされていますが、下半身の血液は重力に逆らって心臓に戻らなければなりません。

しかし、筋肉が十分でないとポンプの役割が果たせません。そこで、ふくらはぎを鍛え、ポンプの力を増すことが大切です。

それはとても簡単で、毎日「背伸び」をするだけです。

ポイントは、丹田という下腹部を意識して、頭のてっぺんから上へ引っ張られる様に、ゆっくりとかかとを上げて背伸びをし、ゆっくりと下ろす。これを10回程度行うだけです。

目を瞑ってやれば脳のトレーニングにもなりますが、無理はしないで下さい。

3. しっかり食事をする

自然塩をとる

たんぱく質が足りないと、浸透圧の調整が上手くいかずにむくんでしまいますので、豆や魚、海藻を中心とした食事を心がけましょう。

よく塩分を摂りすぎるとむくむといわれますが、自然塩と精製された塩は全くの別物なので、「自然塩」を使う様にして下さい。


むくみは身体からのサインです。

しっかりと身体の声を聞いて、原因を真面目に考え、改善して行けば、今よりも、もっと自分の事がわかり、より健康で幸せな毎日を過ごす事ができます。

サポートが必要な方は、INEDGEにご相談ください。